メンサでうつブログ

つらつらと思いついたことを書きます。

アンパンマンは高度な知能を備えたロボット説と、バイキンマン視点の回顧録

(書いてみたら長くなってしまいました。お時間のある時にお読みください)

やなせたかし先生がどう考えていたか調べたことはないですが、アンパンマンの暮らす世界観はなかなか不思議です。子供と一緒にアンパンマンを見ながらいつも不思議に思います。

住民が50人にも達していないと思われる、森の中にある小さな町。その町には何の心配もないユートピアの空気が漂い、かばおくんやうさこちゃんたちがなかよく暮らしています。町にはいつもいろんな食べ物を模した○○マンがどこからか現れ、食べ物をふるってくれます。

その町から少し離れたところにジャムおじさんの家があり、町をパトロールしたりパンを配達するアンパンマンや、カレーパンマンしょくぱんまんが住んでいます。

彼らが住むエリアの果ての果て、岩山に住居を構える、ばいきんまんドキンちゃん。町の住民と対照的に、いつも二人はおなかを空かせていて、町に降りては住民を変装で騙し(驚くほどチープな変装なのに、住民は気がつかない)、食料を奪おうとします。しかし、パトロール中のアンパンマンに見つかり、アンパンチで吹き飛ばされる、というのがいつものストーリー。

不思議なのは、この町がどうやって形成されたのか、そのバックグラウンド。
・このユートピアの町はいったい何なのか。
・町を訪れる○○マンとは何なのか。
ジャムおじさんの家にいるアンパンマンを始めとした、カレーパンマンしょくぱんまんなどの主要キャラは、何なのか。そしてジャムおじさんとはいったい何者なのか。
バイキンマンなはなぜあんな郊外に住み、忌み嫌われ、いつもおなかを空かせているのか。

このような疑問について自分なりに考えてみたことを、ばいきんまん目線の回顧録として書いてみました。

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私は、ごつごつとした岩山に建つ住居から、かつて暮らしていた緑あふれる平野を眺めていた。

まだ自分が若かった頃、このあたりの土地に住むのは自分とパートナーだけだった。訳あって人目を避けて暮らすことになった私たちには、この土地は森に囲まれ、外からの接触もなく、まさにちょうど良い場所だった。

きれいな川と、肥沃な土地があり、ここでながく自給自足で暮らす、そんなことができそうだと思っていた。そう、彼らが現れるまでは。

「ここの土地は自分の所有となりました。期日までに移動願います。」と初老の男性はある日、穏やかに通告してきた。私たちは人里離れたこの土地に移り住んだだけであり、誰の土地ということも、土地を所有するという発想もなかった。

その初老の男性は、IT企業の主席研究員をリタイアした男で、蓄えた資産でこの周辺の土地を買い取ったのだと言う。若い研究助手の女性を連れてここに住むらしい。

なぜこんな人里離れた土地に住むのだろうと思いながら、私たちは追い出されるように今の岩山に住居を構えた。それからと言うもの、ここは作物が育つ土地も少なく、日照時間も短いために、慢性的な食糧不足に悩まされることとなった。

程なくして、初老の男性の周りがにぎわしくなった。彼らは高度な知能を備えたロボットを作っていたのである。まず作ったのは、空を飛び周辺を警備するロボ、3体であった。それはアンパンマンしょくぱんまんカレーパンマンと呼ばれていた。
また、警備ロボほど万能ではないが、作物の育成、食料の加工に特化したロボットを作物ごとに準備していった。それらは異なる個性を有し、たとえば長ネギマンや、天丼マンなどというロボットが現れた。

最後に、彼らは住民を少しだけ呼び込んだ。食料は旬のものが、旬のものを育てるロボたちから住民へ配給された。主食のパンに関しては、毎日配給され、そのロボたちは配給と同時に町の警備に当たっていた。

こうして、平野には警備と食糧調達が自動化されたユートピアができあがった。この町を作ることが、あの初老の男性の目的だったのだ。彼は住民からパンのロボットに囲まれて暮らすことにちなんでジャムおじさんと呼ばれた。助手はバタコさんと呼ばれ、慕われていった。

一方、私たちは、自ら土に触れ自給自足で食べ物を作ることから、バイキン(ばい菌)マンと呼ばれ忌み嫌われた。パートナーは、特にという意味の"ど"を頭に付けて、ドキン(ど菌)ちゃんと呼ばれた。

私たちはいつもお腹をすかせ、どうしようもないときには食べ物を求め、町に降りることがある。たのユートピアに住む住民は疑うことを忘れているため、いつも簡単な変装でばれないのはありがたい。そうしてごまかしながら食料を失敬すのであるが、警備ロボに見つかったときは大変である。

警備ロボは容赦しない。彼らのパンチ一発で私たちはこの岩山の住居まで吹き飛ばされてしまうのだ。

確かにあのユートピアを築き上げたジャムおじさんの技術力はすばらしい。世界を変えるものがある。私たちの唯一の希望は、すこしだけ私たちにも食料を分けてほしい、それだけだ。

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なんだか長くなってしまったけど、覚えておくと、飲み会の話のネタに使えそうな気もします。他の説も出て盛り上がったりして。