メンサでうつブログ

つらつらと思いついたことを書きます。

室町時代の人の気持ちになってみる本

 

日本の室町時代を中心に研究している、清水克行さんの本を最近よく読んでいます。

 

具体的にはこんな本です。

・喧嘩両成敗の誕生
 今も(ときどき)生きる、喧嘩両成敗という考え方が、どうやって生まれたか

 

・大飢饉、室町社会を襲う!
 大飢饉になったとき、室町時代の人たちはどんな振る舞いをしたか

 

・日本神判史(←今ここ)
 神様に尋ねる裁判(神判)の歴史。

 

アマゾンのレビューはあまり多くないですが、タイトルだけで、すでにぐっと来た方には、間違いなくおすすめです。

 

日本の歴史を読み解く本ですが、こういう本にありがちな、論文みたいな小難しさは皆無です。

 

室町時代の人たちの気持ちや、いろんなトリビアが、優しい文章で学べます。

(ちなみにNHKのタイムスクープハンターも監修していた人です)

 

この人のスタンスで好きなのは、合理的に説明しようとしているところ。

 

時々悲しい論調では、昔の人の判断を、現代の自分たちの常識から頭ごなしに否定してしまうものも多々あります。

(最近では、昨日の発言も、今日のスタンスから否定してたりもありますよね)

 

この人は、例えば神判について、どうして室町時代の人が、それを受け入れたか、当時の人の考え方、捉え方、宗教心などから、解説してくれます。

 

神判ってスゴいですよ、今の感覚からすると。

たとえば土地などを争う二人が、あっちっちのお湯に手を入れて、やけどしない方が勝訴(湯起請)とか。
もう少し温度を上げて、まっかっかに熱した鉄を持って、やけどしない方が勝訴(鉄火起請)とか。

 

こんなの、今の感覚からしたら100通りくらいの理由で、瞬時に否定できます。(簡単です)

 

逆にどうしてこのシステムなのか、どうしてこれでみんな納得していたのか、それを解説して、今の自分たちに納得させる方が難しくて、それを正に試みている本です。

 

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こういう本を読むといつも思うのは、100年後、200年後の日本人から、今の日本人の振る舞いを見ると、きっと簡単には理解できないんだろな、ということです。

こういう風な解説が必要なくらい、分からないんだろうな、ということです。

 

このブログなんか、こういうことをした、それでこう思った、ってことを書いてるから(今、有益なまとめ記事などよりも)、我ながら結構いい研究資料になりそう。